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老後の生活費

相続にかかる費用(2026年)

相続手続きに必要な費用と専門家報酬の目安

全国平均データ

区分月額(目安)
節約型(低め)20.0万円
平均的70.0万円
ゆとり型(高め)200.0万円

費用の内訳

税理士費用30.0万円

全体の約43%

司法書士費用10.0万円

全体の約14%

登録免許税15.0万円

全体の約21%

戸籍取得1.0万円

全体の約1%

その他14.0万円

全体の約20%

詳細解説

相続にかかる費用は、大切な家族を亡くされた後に直面する現実的な問題であり、事前に全体像を把握しておくことで精神的・経済的な負担を軽減することができます。相続手続きに必要な費用は大きく分けて、専門家(税理士・司法書士・行政書士・弁護士)への報酬、各種税金・登録免許税、書類取得費用、その他の実費の4カテゴリーに分類されます。一般的な相続案件(遺産総額3,000〜5,000万円程度、不動産1〜2件、預貯金口座3〜5口座、相続人2〜4名)の場合、手続き費用の総額は50〜100万円が目安です。ただし、遺産総額が大きい場合や不動産が複数ある場合、相続人間で争いがある場合には200万円を超えることもあります。相続手続きの期限として最も重要なのが、相続税の申告・納付期限(被相続人の死亡を知った日の翌日から10カ月以内)と、相続放棄の期限(同3カ月以内)です。2024年4月からは不動産の相続登記も義務化され、相続を知ってから3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科される可能性があります。相続は誰にでも起こり得る出来事であり、費用の目安を事前に知っておくことは適切な準備のために不可欠です。

相続手続きで発生する専門家報酬の相場について、各士業ごとに詳しく解説します。税理士への相続税申告の依頼費用は遺産総額の0.5〜1%が一般的な相場で、遺産3,000万円の場合は15〜30万円、遺産5,000万円で25〜50万円、遺産1億円で50〜100万円が目安です。ただし、土地の評価が複雑な場合(不整形地、路線価がない土地、広大地など)や、非上場株式の評価が必要な場合は追加料金が発生し、基本報酬の20〜50%増しになることがあります。相続税の申告が不要な場合(遺産総額が基礎控除以下)は、税理士への依頼は不要ですが、遺産の評価に不安がある場合は相談だけでも依頼する価値があります(相談料は1時間5,000〜1万円程度)。司法書士への不動産相続登記の依頼費用は、不動産1件あたり5〜10万円が相場です。複数の不動産がある場合や管轄法務局が異なる場合は追加費用がかかります。登記に必要な登録免許税は不動産の固定資産税評価額の0.4%で、評価額3,000万円の不動産なら12万円です。行政書士への遺産分割協議書の作成依頼は3〜10万円、相続人調査・戸籍収集は3〜5万円が相場です。弁護士が必要になるのは主に相続人間で争いがある場合で、遺産分割調停の着手金は20〜50万円、成功報酬は取得した遺産額の4〜16%が目安となります。

相続にかかる税金・登録免許税・実費について整理しておきましょう。まず相続税ですが、基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算され、遺産総額がこの金額以下であれば相続税は一切かかりません。実際に相続税が課税される割合は全死亡者の約9%程度であり、約9割の方は相続税の心配は不要です。課税される場合の税率は、課税遺産総額に応じて10%(1,000万円以下)〜55%(6億円超)の8段階の超過累進税率が適用されます。配偶者には「配偶者の税額軽減」があり、法定相続分または1億6,000万円のいずれか大きい方までは相続税がかかりません。不動産の相続登記にかかる登録免許税は固定資産税評価額の0.4%で、たとえば評価額2,000万円の土地と1,000万円の建物を相続する場合は合計12万円です。戸籍謄本は1通450円、除籍謄本は1通750円、改製原戸籍は1通750円で、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍を集める必要があるため、転籍が多い方は10〜20通程度必要になり、取得費用は5,000〜1万5,000円程度かかります。印鑑証明書は1通200〜300円、住民票は1通200〜400円です。不動産の評価証明書(固定資産評価証明書)は1筆あたり200〜400円で取得できます。これら書類の取得費用は合計でおおむね1〜3万円程度ですが、遠方の役所への郵送請求の場合は定額小為替の手数料(1枚200円)や往復の切手代も加算されます。

相続費用を抑えるための具体的なポイントと、生前にできる準備について解説します。まず、相続手続きの一部を自分で行うことでコストを削減できます。戸籍謄本の収集は郵送請求で自分で行えば実費のみ(5,000〜1万5,000円程度)で済み、行政書士への依頼費用3〜5万円を節約できます。法務局の「法定相続情報証明制度」を利用すると、一度戸籍を集めて法定相続情報一覧図を作成すれば、その後の各種手続き(銀行口座解約、不動産登記、年金手続きなど)で戸籍の束を何度も提出する必要がなくなり、手間と費用を大幅に削減できます。税理士選びでは複数の事務所から見積もりを取ることが重要で、相場よりも安い報酬で質の高いサービスを提供する事務所も増えています。特に相続税申告に強い専門事務所は土地の評価を適正に行い、結果的に相続税額が数十万〜数百万円減少するケースもあるため、報酬の安さだけでなく実績と専門性で選ぶことが大切です。生前対策としては、遺言書の作成(自筆証書遺言の保管制度は手数料3,900円、公正証書遺言の作成は5〜15万円)が最も効果的で、遺言があれば遺産分割協議が不要になり、手続きの時間と費用を大幅に短縮できます。暦年贈与(年間110万円までの非課税贈与)や生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)の活用など、合法的な節税対策を生前に講じておくことで、相続税そのものを軽減することも可能です。相続は「争族」にならないよう、家族間でオープンに話し合い、専門家のアドバイスを受けながら計画的に準備を進めましょう。

よくある質問

相続手続きにかかる費用の総額は?
遺産の規模や内容によりますが、一般的な相続(遺産総額3,000〜5,000万円程度)では総額50〜100万円程度が目安です。不動産の名義変更、預貯金の解約手続き、相続税申告(対象者のみ)などにそれぞれ費用がかかります。
相続税はいくらからかかる?
相続税には基礎控除があり、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超える遺産に対して課税されます。たとえば相続人が配偶者と子2人の場合、基礎控除は4,800万円で、遺産がこの額以下なら相続税は発生しません。
相続手続きを専門家に依頼する費用は?
税理士への相続税申告依頼は遺産総額の0.5〜1%(遺産5,000万円で25〜50万円)、司法書士への不動産登記依頼は5〜15万円、行政書士への遺産分割協議書作成は3〜10万円、弁護士への相続争い対応は着手金20〜50万円が相場です。
相続手続きで自分でできることは?
戸籍謄本の収集、法定相続情報一覧図の作成、預貯金口座の残高証明取得、簡易な遺産分割協議書の作成などは自分でも可能です。ただし、不動産の相続登記は2024年4月から義務化されたため、司法書士への依頼をお勧めします。

都道府県別データ

各都道府県のリンクをクリックすると、地域ごとの詳細な相続にかかる費用データを確認できます。

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