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老後の生活費

年金の受給額(2026年)

老齢基礎年金・老齢厚生年金の平均受給額データ

全国平均データ

区分月額(目安)
節約型(低め)5.0万円
平均的14.5万円
ゆとり型(高め)22.0万円

費用の内訳

老齢基礎年金6.5万円

全体の約45%

老齢厚生年金8.0万円

全体の約55%

詳細解説

年金の受給額は老後の生活設計を考えるうえで最も基本的かつ重要な情報です。日本の公的年金制度は「2階建て構造」と呼ばれ、1階部分の老齢基礎年金(国民年金)と2階部分の老齢厚生年金で構成されています。厚生労働省の統計データによると、老齢基礎年金の平均受給月額は約5万6,000円(満額は約6万8,000円)、老齢厚生年金を含む平均受給月額は約14万5,000円です。ただし、この平均値には男女差が大きく反映されており、男性の平均受給月額が約16万3,000円であるのに対し、女性は約10万5,000円と約5万8,000円もの開きがあります。これは女性の方が出産・育児などで厚生年金の加入期間が短い傾向があるためです。自営業者やフリーランスなど国民年金のみに加入していた方の受給額は老齢基礎年金のみとなり、40年間満額納付しても月約6万8,000円にとどまります。実際には未納期間や免除期間がある方も多く、国民年金のみの平均受給額は月約5万6,000円です。老後の収入の柱となる年金受給額を正確に把握し、不足分をどのように準備するかを早い段階から考えておくことが、安心できる老後生活の第一歩となります。

年金の受給額を決定する主な要因について詳しく解説します。老齢基礎年金の額は保険料の納付期間によって決まり、20歳から60歳までの40年間(480月)すべて納付した場合に満額(2026年度で月約6万8,000円)が支給されます。未納期間が1年あるごとに満額から約2%(月約1,700円)減額される計算です。学生時代の納付猶予期間は年金額の計算では「カラ期間」として受給資格期間には算入されますが、年金額には反映されないため、追納しない限り減額要因になります。老齢厚生年金の額は「平均標準報酬月額×加入期間」の計算式で決まるため、現役時代の給与水準と加入期間の長さが直接的に影響します。たとえば、平均年収400万円で38年間厚生年金に加入した場合の老齢厚生年金は月約7万2,000円、平均年収600万円で40年間加入した場合は月約11万3,000円程度が目安です。これに老齢基礎年金を加えると、前者は月約13万7,000円、後者は月約18万1,000円の年金収入となります。また、厚生年金には加給年金(年金版の家族手当、年額約39万8,000円)や振替加算といった上乗せ制度もあり、配偶者の状況によって受給額が変わる場合があります。日本年金機構の「ねんきんネット」で自分の年金見込額を確認できますので、まだ確認していない方はぜひ一度チェックしてみてください。

年金の繰上げ受給と繰下げ受給の仕組みを理解することで、自分に最適な受給開始時期を選択できます。本来の受給開始年齢は65歳ですが、60歳から64歳の間に前倒しで受け取る「繰上げ受給」と、66歳から75歳の間に後ろ倒しで受け取る「繰下げ受給」が選択可能です。繰上げ受給の場合、1カ月あたり0.4%の減額が一生涯続きます。たとえば60歳から受け取ると24%減額され、月14万5,000円の年金が月11万200円に減ってしまいます。しかも繰上げ受給を選択すると障害基礎年金が請求できなくなるなどのデメリットもあるため、慎重な判断が必要です。一方、繰下げ受給は1カ月あたり0.7%の増額が一生涯適用される非常に有利な制度です。70歳まで5年間繰り下げると42%増額で月14万5,000円が月20万5,900円に、75歳まで10年間繰り下げると84%増額で月26万6,800円にまで増える計算です。ただし繰下げ期間中は年金収入がゼロになるため、その間の生活費を貯蓄や他の収入で賄える余裕があることが前提です。損益分岐点は繰下げの場合おおむね12年程度で、70歳繰下げなら82歳以上、75歳繰下げなら87歳以上生きれば65歳受給開始よりも総受給額が多くなります。日本人の平均寿命(男性約81歳、女性約87歳)を考えると、特に女性は繰下げのメリットが大きいと言えるでしょう。

年金だけでは老後の生活費を賄いきれない「年金不足問題」にどう対策するかは、すべての現役世代にとって避けて通れないテーマです。総務省の家計調査によると、65歳以上の夫婦無職世帯の平均支出は月約26万8,000円であるのに対し、年金を中心とした収入は月約23万6,000円で、毎月約3万2,000円の赤字(いわゆる「老後2,000万円問題」の根拠データ)が発生しています。単身世帯でも平均支出月約15万5,000円に対して年金収入が月12〜13万円程度にとどまるケースが多く、月2〜3万円の不足が生じます。この不足分を補う方法として、まずiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAによる資産形成が挙げられます。iDeCoは掛金が全額所得控除になるため、現役時代の節税効果と老後の年金上乗せの両方のメリットがあります。月2万3,000円(会社員の上限)を30年間積み立て、年利3%で運用できれば約1,340万円の資産を形成できます。国民年金の付加年金(月400円の追加保険料で受給額が月200円×納付月数増える制度)は、2年で元が取れる非常にお得な制度ですが意外と知られていません。また、60歳以降も厚生年金に加入して働く「在職老齢年金」制度を活用すれば、年金額を増やしながら収入を確保することも可能です。年金の受給見込額をベースに、不足分を複数の手段で補う具体的な計画を50代のうちに立てておくことが、安心できるセカンドライフへの確実な道筋です。

よくある質問

年金は月いくらもらえる?
厚生年金加入者の平均受給額は月約14万5,000円(老齢基礎年金約6万5,000円+老齢厚生年金約8万円)です。国民年金のみの場合は老齢基礎年金のみで月約6万5,000円が平均的な受給額となります。
年金の満額はいくら?
老齢基礎年金の満額は2026年度で月額約6万8,000円(年間約81万6,000円)です。40年間(480月)すべて保険料を納めた場合に満額が支給されます。未納期間があるとその分だけ減額されます。
繰下げ受給でどれくらい増える?
年金の受給開始を65歳から繰り下げると、1カ月あたり0.7%ずつ増額されます。70歳まで繰り下げると42%増、75歳まで繰り下げると84%増になります。月14万5,000円の場合、70歳繰下げで約20万6,000円、75歳繰下げで約26万7,000円になる計算です。
年金だけで生活できる?
単身世帯で月14〜15万円の年金受給額がある場合、持ち家で住居費が低ければ最低限の生活は可能ですが、ゆとりある生活には月5〜10万円の不足が生じるのが一般的です。夫婦世帯では合計月20〜25万円程度の年金に対し、平均生活費は月23〜26万円のため、貯蓄の取り崩しが必要になります。

都道府県別データ

各都道府県のリンクをクリックすると、地域ごとの詳細な年金の受給額データを確認できます。

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