扶養控除と配偶者控除、何が違うの?
年末調整の時期になると「扶養控除」と「配偶者控除」の違いがよくわからず混乱する方が多いですよね。正直なところ、名前が似ているので混同しやすいですが、対象となる家族が違います。
- 扶養控除 = 配偶者以外の家族(子ども・親・兄弟など)が対象
- 配偶者控除 = 配偶者(夫 or 妻)が対象
どちらも「所得控除」として課税所得を減らし、税金を安くする効果があります。
比較表
| 項目 | 扶養控除 | 配偶者控除 |
|---|---|---|
| 対象 | 16歳以上の親族(子・親・兄弟等) | 配偶者(夫 or 妻) |
| 対象者の年収上限 | 103万円以下(所得48万円以下) | 103万円以下(2026年〜136万円以下) |
| 控除額(一般) | 38万円(住民税33万円) | 38万円(住民税33万円) |
| 控除額(特定:19〜22歳) | 63万円(住民税45万円) | — |
| 控除額(老人:70歳以上同居) | 58万円(住民税45万円) | 48万円(住民税38万円) |
| 控除額(老人:70歳以上別居) | 48万円(住民税38万円) | — |
| 申告者の所得制限 | なし | 所得1,000万円以下 |
| 年収超えた場合 | 控除ゼロ(段階的縮小なし) | 配偶者特別控除に移行(201万まで段階的) |
節税効果シミュレーション
| ケース | 控除額 | 所得税率20%での節税額 | 住民税も含めた年間節税額 |
|---|---|---|---|
| 配偶者控除(一般) | 38万円 | 7.6万円 | 約10.9万円 |
| 扶養控除(16歳の子ども) | 38万円 | 7.6万円 | 約10.9万円 |
| 特定扶養控除(大学生の子ども) | 63万円 | 12.6万円 | 約17.1万円 |
| 老人扶養控除(同居の親70歳以上) | 58万円 | 11.6万円 | 約16.1万円 |
| 老人扶養控除(別居の親70歳以上) | 48万円 | 9.6万円 | 約13.4万円 |
見落としがちなケース
別居の親を扶養に入れる
離れて暮らす親でも、仕送りをしていれば扶養控除の対象にできます。70歳以上の親なら別居でも48万円の控除(所得税率20%で約13.4万円の節税)。仕送りの証拠として振込記録を残しておきましょう。
大学生の子どものアルバイト収入
子どものアルバイト年収が103万円を超えると特定扶養控除(63万円)が外れ、親の税金が約17万円増えます。子どもの手取りは数万円しか増えないのに親の税負担が17万円増える逆転現象が起きるので、学生のアルバイトは103万円以内に抑えるよう家族で話し合いましょう。
16歳未満の子どもには控除がない
2011年以降、16歳未満の子どもには扶養控除が適用されません。代わりに児童手当が支給されている形です。つまり、子どもが高校生(16歳)になると初めて扶養控除38万円が適用されます。
2026年の税制改正ポイント
- 配偶者控除の年収上限:103万円 → 136万円に引上げ(2026年分〜)
- 配偶者特別控除の満額適用:150万円 → 160万円に拡大
- 特定扶養控除(19〜22歳):子の年収上限が103万円 → 150万円に引上げ予定(2025年〜段階的)
特に配偶者控除の136万円引上げは、パート世帯にとって大きな影響。詳しくは扶養の壁データや扶養内年収上限計算ツールも確認してくださいね。
よくある質問
Q. 配偶者控除と配偶者特別控除の違いは?
A. 配偶者の年収103万円以下(2026年〜136万円以下)なら配偶者控除(満額38万円)、それを超えて201万円以下なら配偶者特別控除(段階的に減額)が適用されます。どちらか一方のみ適用されます。
Q. 共働きの場合はどうなる?
A. 配偶者の年収が201万円(所得133万円)を超えると、配偶者控除も配偶者特別控除もゼロになります。共働きでどちらも年収201万円超なら、子どもの扶養控除をどちらの名義にするか(年収の高いほうが節税効果大)を検討しましょう。
Q. 扶養控除と社会保険の扶養は同じ?
A. 別の制度です。税金の扶養控除は年収103万円(所得48万円)以下、社会保険の扶養は年収130万円未満。どちらも「扶養」という言葉を使いますが基準が異なるので混同しないように注意してくださいね。