環境性能割とグリーン化特例 — 「結局いつ・いくら」の答え
新車購入の見積もりに「環境性能割」と書かれていて「これ何?廃止されたんじゃないの?」と疑問に思った方、いるはずです。正直なところ、この2つの制度はゴチャっと混同されがちですが、払うタイミングも仕組みも別物なので分けて理解する必要があります。
結論を先に言うと、環境性能割は車を「買ったときに1回だけ」払う取得時の税金で、燃費性能に応じて取得価額の0〜3%(普通車)、0〜2%(軽自動車)。グリーン化特例は毎年の自動車税・軽自動車税が「新車登録の翌年度1年分だけ」軽減される制度で、EV・天然ガス車は約75%軽減。2026年5月時点で環境性能割は廃止されておらず、グリーン化特例は2026年3月末に延長されてEV優遇が継続中です。
環境性能割の早見表(2026年5月時点)
環境性能割は車を取得したときに1回だけかかる税金。取得価額(おおむね車両価格の90%相当)に対して、燃費性能に応じて0〜3%が課税されます。
| 燃費・排出基準 | 普通車(自家用乗用) | 軽自動車 | 該当車の例 |
|---|---|---|---|
| 電気自動車(EV)・燃料電池車(FCV)・天然ガス車 | 非課税 | 非課税 | リーフ、サクラ、ミライ |
| 2030年度燃費基準 85%達成 | 非課税 | 非課税 | 多くのHV車 |
| 2030年度燃費基準 75%達成 | 1% | 非課税 | 一部HV・低燃費ガソリン車 |
| 2030年度燃費基準 60%達成 | 2% | 1% | 標準的なガソリン車 |
| 上記基準未達 | 3% | 2% | 古い設計のガソリン車・大排気量車 |
たとえば取得価額200万円のガソリン車で「2030年度燃費基準60%達成」なら、200万円×2%=4万円の環境性能割が初回登録時にかかります。一方、同じ200万円のEVなら0円。EVの初期コスト負担を抑える設計になっています。
環境性能割は廃止が議論されつつ、当面は維持されています。2026年税制改正の議論でも「EV普及優先のため当面継続」という方向。「廃止された」と勘違いして見積もりに反映しないと、納車時に4〜6万円足りなくて慌てます。
グリーン化特例 — 毎年の税金が約75%軽減
グリーン化特例は新車登録の翌年度1年分だけ、自動車税・軽自動車税が燃費性能に応じて軽減される制度。2026年3月末まで延長されており、現行制度の主なポイントは次のとおり。
| 車種区分 | 軽減率(普通車・軽) | 軽減対象年度 | 軽減後の年税額例 |
|---|---|---|---|
| 電気自動車(EV) | 約75%軽減 | 新車登録の翌年度1年 | 1.5L級なら30,500円→約7,500円 |
| 燃料電池車(FCV) | 約75%軽減 | 同上 | 同上 |
| プラグインハイブリッド車(PHV) | 約75%軽減 | 同上 | 同上 |
| 天然ガス車 | 約75%軽減 | 同上 | 同上 |
| 軽自動車(EV・天然ガス) | 約75%軽減 | 同上 | 10,800円→約2,700円 |
| クリーンディーゼル乗用車 | 適用なし(一般税率) | ― | ― |
| 普通のハイブリッド車(HV) | 適用なし(環境性能割で優遇) | ― | ― |
注意したいのは「翌年度1年分だけ」という点。たとえば2025年6月にEVを新車購入した場合、軽減対象は2026年度の1年分のみ。2027年度からは通常の税率に戻ります。「ずっと安いまま」と誤解しているケースが多いので、購入前に確認しておきましょう。
EV購入なら税金と補助金で「いくら得」になる?
EVは環境性能割・グリーン化特例・国の補助金(CEV補助金)・自治体補助金まで含めると、ガソリン車に比べてかなりの優遇があります。取得価額500万円のEVを購入した場合の概算は次のとおり。
| 項目 | 同価格ガソリン車(1.5L級) | EV | 差額 |
|---|---|---|---|
| 環境性能割 | 約9万円(取得価額の2%) | 0円 | -9万円 |
| 自動車重量税(新車3年分) | 約36,900円 | 0円(エコカー減税で免税) | -36,900円 |
| 初年度自動車税(月割) | 約25,000円 | 同上 | 同等 |
| 翌年度自動車税(グリーン化特例) | 30,500円 | 約7,500円 | -23,000円 |
| CEV補助金(国) | ― | 最大65万円程度 | -65万円 |
| 取得〜2年目までの実質負担差 | ― | ― | 約-130万円 |
※CEV補助金は車種・年度で変動。自治体補助金は別途加算可能(東京都は45万円程度上乗せ)。
つまり同じ500万円の車を買っても、EVの実質負担は370万円台まで下がる計算。これに自宅充電によるガソリン代削減(年5〜10万円)を加味すると、5年で150〜180万円のトータルメリットになります。電気代の見直しも合わせて年間固定費シミュレーターで確認しておきましょう。
環境性能割は廃止される?2026年の議論
環境性能割は2019年の消費税10%引き上げと同時に、それまでの自動車取得税の代替として導入されました。「結局取得税の名前を変えただけ」という批判が根強く、2026年の税制改正論議でも廃止・縮小の議論が継続しています。
ただし2026年5月時点で廃止は決定していません。当面は維持される見込みで、EV・低燃費車優遇という性格が強化される方向。新車購入時の見積もりでは「環境性能割が含まれているか」を必ず確認しましょう。
購入前チェック — 「うちの候補車は何%?」
自分が候補にしている車の環境性能割が何%か、グリーン化特例の対象かを調べる手順は次のとおり。
- メーカー公式サイトの諸元表で「2030年度燃費基準」の達成率を確認
- カタログの「税金」欄に環境性能割の概算金額が記載されていることが多い
- ディーラーの見積もり書で「環境性能割」「自動車税月割」を別行で確認
- 国土交通省「自動車燃費一覧」で公式の達成率を再確認
EV購入なら自治体の補助金もチェック。都道府県・市区町村で重ねて支給されるケースがあり、国+都道府県+市区町村で合計100万円超になる地域もあります。
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よくある質問
Q. 環境性能割は廃止されたのですか?
A. 2026年5月時点で廃止されていません。「廃止議論が続いているが当面は維持」というのが正確な状況です。EV・低燃費車優遇の方向で運用が続いており、新車・中古車の取得時には依然として0〜3%(普通車)、0〜2%(軽)の課税があります。
Q. EVを買うと自動車税はずっと安いままですか?
A. いいえ、新車登録の翌年度1年分だけ約75%軽減されます。それ以降は通常の税率(1.5L級なら30,500円)に戻ります。EVを「ずっと安く乗れる車」と誤解しないように注意しましょう。
Q. 環境性能割は中古車にもかかりますか?
A. はい。中古車取得時にも課税されます。ただし新車に比べ取得価額が低くなるため、税額も小さくなります。50万円以下の取得は非課税です。
Q. グリーン化特例の対象になるのはどんな車ですか?
A. EV・FCV・PHV・天然ガス車が中心で、約75%軽減されます。普通のHV車やクリーンディーゼル車は現行のグリーン化特例の対象外(環境性能割で別途優遇)。具体的な対象車種はメーカー公式・経済産業省のCEV対象車一覧で確認できます。
Q. EV購入で受けられる優遇制度は全部でいくらになりますか?
A. 環境性能割(約9万円減)+ 重量税エコカー減税 + グリーン化特例(約2.3万円減)+ CEV補助金(最大65万円程度)+ 自治体補助金(最大45万円程度)で、合計100〜130万円の取得時負担軽減が一般的です。車種・地域で大きく変わるので、購入前に必ず自治体補助金を確認してください。
※本記事の税率・補助金は2026年5月時点の制度概要です。最新情報・対象車種・補助金額は経済産業省・国土交通省・各自治体の公式情報でご確認ください。
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車関連を含む固定費は年間固定費シミュレーターで年単位で確認すると、EV化のトータル効果が見えます。
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