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年金にかかる税金はいくら?【2026年版】確定申告が必要なケースと計算方法

年金にかかる税金の計算方法、公的年金等控除の仕組み、確定申告が必要なケースと不要なケースをわかりやすく解説。医療費控除で還付を受ける方法も紹介します。

年金にも税金がかかるって本当?

「年金って非課税じゃないの?」と思っている方、実はけっこう多いんですよ。結論から言うと、公的年金にも所得税と住民税がかかります。ただし、「公的年金等控除」という大きな控除があるので、年金額が少ない方は課税されないケースも多いです。

この記事では、2026年版の最新情報をもとに、年金にかかる税金の計算方法、確定申告が必要なケース・不要なケース、そして医療費控除で税金を取り戻す方法まで詳しく解説します。

公的年金等控除の仕組み

年金収入には公的年金等控除が適用されます。これは給与所得者の「給与所得控除」に相当するもので、年金収入から一定額を差し引くことができる制度です。

控除額は年齢(65歳未満 or 65歳以上)年金収入の金額によって変わります。65歳以上の方が控除額が大きいのがポイントですね。

65歳未満の公的年金等控除額

年金収入控除額
130万円以下60万円
130万円超〜410万円以下収入×25%+27.5万円
410万円超〜770万円以下収入×15%+68.5万円
770万円超〜1,000万円以下収入×5%+145.5万円
1,000万円超195.5万円(上限)

65歳以上の公的年金等控除額

年金収入控除額
330万円以下110万円
330万円超〜410万円以下収入×25%+27.5万円
410万円超〜770万円以下収入×15%+68.5万円
770万円超〜1,000万円以下収入×5%+145.5万円
1,000万円超195.5万円(上限)

※上記は公的年金等以外の所得が1,000万円以下の場合の控除額です。1,000万円を超える場合は控除額が減額されます。

年金収入別の課税額シミュレーション

実際にどのくらい税金がかかるのか、具体的にシミュレーションしてみましょう。65歳以上・単身・年金収入のみの場合で計算します。

年金収入150万円の場合

  • 公的年金等控除:110万円
  • 雑所得:150万円 − 110万円 = 40万円
  • 基礎控除:48万円
  • 課税所得:40万円 − 48万円 = 0円(非課税)

年金収入150万円なら所得税はかかりません。住民税も非課税になる可能性が高いですよ。

年金収入200万円の場合

  • 公的年金等控除:110万円
  • 雑所得:200万円 − 110万円 = 90万円
  • 基礎控除:48万円
  • 社会保険料控除(国保・介護保険):約15万円
  • 課税所得:90万円 − 48万円 − 15万円 = 約27万円
  • 所得税:27万円 × 5% = 約13,500円
  • 住民税:27万円 × 10% = 約27,000円
  • 合計税額:約40,500円

年金収入300万円の場合

  • 公的年金等控除:110万円
  • 雑所得:300万円 − 110万円 = 190万円
  • 基礎控除:48万円
  • 社会保険料控除:約25万円
  • 課税所得:190万円 − 48万円 − 25万円 = 約117万円
  • 所得税:117万円 × 5% = 約58,500円
  • 住民税:117万円 × 10% = 約117,000円
  • 合計税額:約175,500円

年金収入が増えるほど税負担も大きくなりますが、公的年金等控除のおかげで現役世代と比べると税負担は軽めですね。

確定申告不要制度とは?

年金受給者の方の多くは、確定申告不要制度を利用できます。以下の2つの条件を両方とも満たす場合、確定申告は不要です。

  1. 公的年金等の収入金額が400万円以下
  2. 公的年金等以外の所得が20万円以下

日本の公的年金の平均受給額は月額約15万円(年間約180万円)程度ですので、多くの年金受給者はこの制度の対象になります。

ただし、ここで大事な注意点があるんですよ。確定申告不要制度を使える場合でも、確定申告をした方が得なケースがあります。それが次に説明する医療費控除です。

医療費控除で還付を受ける方法

年金受給者の方は医療費がかさみやすいですよね。年間の医療費が10万円を超えた場合(所得200万円未満の方は所得の5%を超えた場合)、医療費控除を使って税金の還付を受けられます。

たとえば、年金収入200万円の方が年間20万円の医療費を支払った場合:

  • 医療費控除額:20万円 − 10万円 = 10万円
  • 所得税の還付:10万円 × 5% = 約5,000円
  • 住民税の軽減:10万円 × 10% = 約10,000円
  • 合計メリット:約15,000円

医療費控除の対象になるもの:

  • 病院・歯科の診療費、治療費
  • 処方薬の薬代
  • 通院のための交通費(公共交通機関)
  • 入院費用(食事代含む)
  • 介護保険サービスの自己負担分(一部)
  • 補聴器(医師の処方がある場合)

確定申告不要制度の対象でも、医療費控除を受けたい場合は確定申告をする必要があります。面倒に感じるかもしれませんが、e-Taxを使えば自宅から簡単に手続きできますよ。

住民税の申告が必要なケース

確定申告不要制度で所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告が必要なケースがあります。これは意外と見落としがちなポイントなんですよ。

住民税の申告が必要なのは以下のようなケースです:

  • 年金以外の所得が20万円以下だが、1円以上ある場合:所得税は申告不要でも、住民税にはこの「20万円ルール」が適用されません
  • 生命保険料控除や地震保険料控除を追加で受けたい場合:年金からの源泉徴収で反映されていない控除がある場合
  • 扶養親族の変更があった場合

住民税の申告は、お住まいの市区町村の窓口で行います。確定申告をすれば住民税の申告は不要になるので、医療費控除などがある方は確定申告をする方がまとめて手続きできてラクですよ。

まとめ:年金と税金のポイント

年金にかかる税金についてのポイントをまとめます。

  • 公的年金には公的年金等控除があり、65歳以上は110万円まで非課税
  • 年金収入400万円以下+他の所得20万円以下なら確定申告は不要
  • ただし医療費控除がある場合は確定申告した方がお得
  • 確定申告しない場合でも住民税の申告が必要なケースがある
  • e-Taxを使えば自宅から簡単に手続きできる

年金生活になると収入が減る分、少しでも手取りを増やすことが大切ですよね。使える控除はしっかり活用して、税負担を最小限に抑えましょう。

※本記事は2026年4月時点の税制に基づいています。税制改正等により内容が変更される場合があります。個別の税務判断については、税理士や最寄りの税務署にご相談ください。