会社を辞めたあと、お金の不安を解消するために
退職後の生活で一番心配なのはやっぱりお金のこと。「失業保険っていくらもらえるの?」「いつからもらえるの?」という疑問を持っている方は非常に多いですよね。
正直なところ、失業保険(正式には雇用保険の基本手当)の仕組みはちょっと複雑です。自己都合退職か会社都合退職かで待機期間が違ったり、年齢や勤続年数で給付日数が変わったり、計算方法にもルールがあります。
でも安心してください。実際に調べてみたら、基本的なポイントを押さえれば誰でも理解できるようになっています。この記事では、2026年最新の制度をもとに、受給条件から申請手続き、金額の計算方法まで徹底的に解説していきます。
失業保険の受給条件
失業保険を受け取るには、いくつかの条件を満たす必要があります。
基本的な受給条件
- 雇用保険に加入していたこと — 退職前の2年間で12ヶ月以上の被保険者期間(会社都合の場合は1年間で6ヶ月以上)
- 働く意思と能力があること — 病気やケガで働けない場合は別の制度(傷病手当金など)を利用
- 積極的に求職活動をしていること — ハローワークでの職業相談や求人応募が必要
- 離職していること — 在職中は受給できません
特に注意したいのが「被保険者期間」です。週20時間以上働いていれば雇用保険に加入しているはずですが、パートやアルバイトの場合は確認しておきましょう。給与明細で「雇用保険料」が引かれていればOKです。
自己都合退職 vs 会社都合退職の違い
退職理由によって、給付の内容が大きく異なります。これは非常に重要なポイントなので、しっかり理解しておきましょう。
| 項目 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
|---|---|---|
| 給付制限期間 | 2ヶ月(5年で3回目以降は3ヶ月) | なし(7日間の待機期間のみ) |
| 必要な加入期間 | 2年間で12ヶ月以上 | 1年間で6ヶ月以上 |
| 給付日数 | 90〜150日 | 90〜330日 |
| 国民健康保険 | 通常の保険料 | 最大2年間軽減あり |
自己都合退職の場合、以前は給付制限が3ヶ月でしたが、2020年10月から「5年間で2回目まで」は2ヶ月に短縮されています。それでも2ヶ月は無収入期間があるので、退職前に2〜3ヶ月分の生活費は貯めておくことをおすすめします。
「特定理由離職者」を知っていますか?
自己都合退職でも、以下のような正当な理由がある場合は「特定理由離職者」として会社都合と同等の扱いを受けられます:
- 契約期間満了で更新されなかった場合(雇い止め)
- 配偶者の転勤に伴う転居
- 心身の障害、疾病による退職
- 育児・介護のための退職(一定の条件あり)
受給額の計算方法
失業保険の日額は、退職前6ヶ月間の給与をもとに計算されます。計算式を見ていきましょう。
計算のステップ
- 賃金日額を計算 — 退職前6ヶ月の給与総額 ÷ 180日
- 給付率をかける — 賃金日額に応じて50%〜80%の給付率が適用
- 上限・下限の確認 — 年齢別に上限額が設定されている
| 賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額の目安 |
|---|---|---|
| 2,746〜5,110円 | 80% | 2,196〜4,088円 |
| 5,110〜12,580円 | 50〜80% | 4,088〜6,290円 |
| 12,580円以上 | 50% | 6,290円〜上限額 |
年齢別の上限額(2026年度)
| 年齢区分 | 基本手当日額の上限 | 月額換算(30日) |
|---|---|---|
| 29歳以下 | 6,945円 | 約208,350円 |
| 30〜44歳 | 7,715円 | 約231,450円 |
| 45〜59歳 | 8,490円 | 約254,700円 |
| 60〜64歳 | 7,294円 | 約218,820円 |
具体例で計算してみましょう。月給30万円(賞与除く)の35歳の場合:
- 賃金日額 = 300,000円 × 6ヶ月 ÷ 180日 = 10,000円
- 給付率 = 約58%(中間的な賃金帯)
- 基本手当日額 = 約5,800円
- 月額換算 = 約174,000円(30日分)
つまり、在職中の手取りの約55〜60%程度が失業保険として受け取れるイメージですね。
年齢・勤続年数別の給付日数
給付日数は退職理由、年齢、勤続年数によって細かく決まっています。
自己都合退職の場合
| 加入期間 | 給付日数 |
|---|---|
| 1年以上5年未満 | 90日 |
| 5年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
会社都合退職の場合(抜粋)
| 年齢\加入期間 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | — |
| 30〜34歳 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35〜44歳 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45〜59歳 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60〜64歳 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
会社都合退職の方が圧倒的に給付日数が長いんですよね。45〜59歳で20年以上勤務した方が会社都合で退職した場合、最大330日(約11ヶ月)も受給できます。
申請手続きのステップ
失業保険の申請は、すべてハローワーク(公共職業安定所)で行います。手続きの流れを見ていきましょう。
- 必要書類を準備する — 離職票(退職後10日〜2週間で届く)、マイナンバーカード(または通知カード+身分証明書)、写真2枚(3×2.5cm)、本人名義の通帳
- ハローワークで求職申込みをする — 住所地を管轄するハローワークに行き、求職の申込みと離職票を提出
- 待機期間(7日間) — 全ての離職者に共通の待機期間。この間はアルバイトもNG
- 雇用保険受給者初回説明会に参加 — 約2時間の説明会に参加し、受給資格者証と失業認定申告書を受け取る
- 求職活動を行う — 4週間ごとの認定日までに原則2回以上の求職活動が必要
- 失業認定日にハローワークに行く — 失業の認定を受ける
- 受給 — 認定日から約1週間後に指定口座に振り込まれる
受給中のアルバイトと再就職手当
「失業保険をもらいながらアルバイトはできるの?」という質問はとても多いです。結論から言うと、条件付きでできます。
アルバイトのルール
- 週20時間未満、1日4時間未満のアルバイトは可能
- ただし、ハローワークへの申告は必須(無申告は不正受給)
- 働いた日は基本手当が減額または不支給になるが、給付日数は先送りされる
- 待機期間(7日間)中のアルバイトは禁止
再就職手当を活用しよう
給付日数を3分の1以上残して早期に再就職した場合、「再就職手当」が一括で支給されます。
| 残日数 | 支給率 | 計算例(日額5,800円・残90日) |
|---|---|---|
| 3分の2以上残して就職 | 70% | 5,800円 × 90日 × 70% = 365,400円 |
| 3分の1以上残して就職 | 60% | 5,800円 × 90日 × 60% = 313,200円 |
早く就職すればするほど多くの手当がもらえるので、「最後まで失業保険をもらい切ってから就職する」より、早期に再就職した方がトータルで得になることも多いんですよ。
よくある質問
Q. 退職後、離職票が届かない場合はどうすればいいですか?
A. 退職後2週間以上経っても届かない場合は、まず元の会社に確認しましょう。それでも対応してもらえない場合は、ハローワークに相談すれば、ハローワークから会社に催促してもらえます。離職票がなくても仮の手続きは可能なので、まずはハローワークに行くことをおすすめします。
Q. 失業保険の受給中に病気になったらどうなりますか?
A. 15日未満の病気やケガの場合は、その日数分の基本手当は先送りになります。15日以上働けない状態が続く場合は、「傷病手当」に切り替えることができます。金額は基本手当と同額です。30日以上の場合は、受給期間の延長手続きをしておくと安心です。
Q. 自己都合退職でも給付制限なしで受給できるケースはありますか?
A. はい、あります。「特定理由離職者」に該当する場合(契約更新されなかった、配偶者の転勤、心身の障害など)は、自己都合退職でも給付制限期間なしで受給できます。また、退職前2年間に一定の要件を満たす職業訓練を受けた場合なども該当する可能性があります。ハローワークで相談して確認しましょう。
Q. 失業保険を受給すると確定申告は必要ですか?
A. 失業保険(基本手当)は非課税所得なので、失業保険自体に対する確定申告は不要です。ただし、年の途中で退職した場合、年末調整が行われていないため、確定申告をすることで所得税の還付を受けられるケースが多いです。特に退職金がある場合や、退職後に医療費が多くかかった場合は確定申告をしましょう。
Q. 公務員は失業保険をもらえますか?
A. 公務員は雇用保険に加入していないため、失業保険は受給できません。ただし、国家公務員には「失業者の退職手当」、地方公務員には各自治体の条例に基づく同様の制度があります。退職手当の額が雇用保険の基本手当より少ない場合は、差額が支給される仕組みです。