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相続税の基礎控除【2026年版】計算方法・税率・申告の流れ

相続税の基礎控除額の計算方法(3,000万円+600万円×法定相続人数)、税率表、配偶者控除、小規模宅地等の特例、生命保険の非課税枠、申告期限まで詳しく解説しています。

相続税とは?まず全体像を把握しよう

「相続税って、お金持ちだけの話でしょ?」と思っていませんか?正直なところ、都市部に持ち家がある方なら、相続税がかかるケースは珍しくないんですよ。

相続税は、亡くなった方(被相続人)の財産を相続したときにかかる税金です。ただし、すべての相続に課税されるわけではなく、基礎控除額を超えた分にだけ税金がかかります。

国税庁の統計によると、相続税の課税対象になるのは亡くなった方の約9%程度。つまり約10人に1人は相続税の申告が必要になっているんですよね。

※本記事は2026年4月時点の税制に基づく一般的な情報です。個別の相続税に関するご相談は、税理士や最寄りの税務署にお問い合わせください。

基礎控除額の計算方法

相続税を計算する上で最も重要なのが基礎控除額です。計算式はシンプルです。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数ごとの基礎控除額をまとめると:

法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円
5人6,000万円

たとえば、配偶者と子ども2人が相続人の場合、基礎控除額は4,800万円。遺産総額が4,800万円以下なら相続税はゼロです。

ここで注意したいのが、不動産の評価額です。自宅の土地は「路線価」で評価されるため、実勢価格の約80%程度になることが多いですよね。建物は「固定資産税評価額」で評価され、新築時の50〜70%程度です。

相続税の税率表

基礎控除額を超えた部分(課税遺産総額)に対して、以下の税率が適用されます。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
1,000万円超〜3,000万円15%50万円
3,000万円超〜5,000万円20%200万円
5,000万円超〜1億円30%700万円
1億円超〜2億円40%1,700万円
2億円超〜3億円45%2,700万円
3億円超〜6億円50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

計算手順としては、①課税遺産総額を法定相続分で按分 → ②各人の取得金額に税率を適用 → ③合計した相続税総額を実際の相続割合で按分、という流れになります。

配偶者控除(配偶者の税額軽減)

相続税には非常に大きな節税効果がある配偶者の税額軽減があります。配偶者が相続した財産が以下のいずれか多い金額までは、相続税がかかりません。

  • 1億6,000万円
  • 配偶者の法定相続分

つまり、遺産が1億6,000万円以下なら、配偶者がすべて相続すれば相続税はゼロになるんですよ。ただし、この特例を使うには申告が必要です。「税額ゼロだから申告しなくていい」と勘違いしやすいので要注意ですよね。

また、配偶者にすべて相続させると、二次相続(配偶者が亡くなったとき)で子どもに重い相続税がかかる可能性があります。一次相続と二次相続をトータルで考えることが大切です。

小規模宅地等の特例

自宅の土地を相続する場合、小規模宅地等の特例を使うと評価額を大幅に減額できます。

区分限度面積減額割合
特定居住用宅地(自宅)330㎡80%減
特定事業用宅地400㎡80%減
貸付事業用宅地200㎡50%減

たとえば、路線価で5,000万円の自宅の土地(200㎡)を配偶者が相続する場合、80%減額で評価額は1,000万円になります。この特例だけで基礎控除内に収まるケースも多いですよね。

適用条件として、配偶者は無条件で適用可能ですが、子どもが適用するには「同居していたこと」などの要件があります。別居の子どもでも使える「家なき子特例」もありますが、要件が厳しくなっています。

生命保険の非課税枠

生命保険金(死亡保険金)には、相続税の非課税枠が設けられています。

非課税枠 = 500万円 × 法定相続人の数

法定相続人が3人なら1,500万円まで非課税です。現金で相続すると全額課税対象ですが、生命保険で受け取れば1,500万円分の節税になるわけです。

このため、相続税対策として「一時払い終身保険」に加入する方が多いんですよ。高齢でも加入できる商品があり、確実に非課税枠を活用できます。

相続税の申告期限と手続き

相続税の申告・納付期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。

10ヶ月というと長く感じますが、実際にやることを考えるとかなりタイトです。

  1. 1〜2ヶ月目:死亡届の提出、戸籍謄本の取得、相続人の確定
  2. 2〜3ヶ月目:財産の洗い出し(不動産、預貯金、有価証券、生命保険など)
  3. 3〜4ヶ月目:相続放棄の判断(3ヶ月以内)、準確定申告(4ヶ月以内)
  4. 4〜8ヶ月目:遺産分割協議、遺産分割協議書の作成
  5. 8〜10ヶ月目:相続税申告書の作成、納税

期限を過ぎると延滞税無申告加算税がかかるので、早めに税理士に相談することをおすすめします。相続税の申告は複雑なため、税理士報酬は遺産総額の0.5〜1%程度が相場ですが、特例の適用漏れなどを防げる点を考えると依頼する価値は十分ありますよ。

相続税がかからない目安

最後に、相続税がかからない目安をまとめておきます。

  • 法定相続人2人(配偶者+子1人)で遺産が4,200万円以下 → 非課税
  • 法定相続人3人(配偶者+子2人)で遺産が4,800万円以下 → 非課税
  • 自宅の土地に小規模宅地等の特例を使えば、評価額が80%減
  • 生命保険の非課税枠(500万円×相続人数)も活用可能

都市部の持ち家がある場合、土地の路線価評価が3,000〜5,000万円になることも珍しくありません。「うちは大丈夫」と思わずに、一度は財産の概算をしてみることをおすすめします。