相続トラブルが起きやすいケースとは
相続は「うちには関係ない」と思っていても、いざ親が亡くなって兄弟姉妹で遺産分割の話し合いになると、思いがけない対立に発展することがあります。不動産が遺産の大半を占めるケースや、同居していた相続人と遠方の相続人で寄与の差がある場合、また遺言書の内容に納得できない相続人がいる場合などは弁護士に相談する選択肢が現実的です。
この記事では特定の事務所を推奨するのではなく、相続弁護士の選び方と費用相場、司法書士・税理士との使い分けを整理します。
よくある相続トラブルの類型
| トラブル類型 | 主な争点 | 解決方法の例 |
|---|---|---|
| 遺産分割協議の対立 | 遺産の分け方で合意できない | 家庭裁判所での調停・審判 |
| 遺留分侵害 | 遺言で特定の相続人が排除された | 遺留分侵害額請求権の行使 |
| 使途不明金 | 被相続人の預金が生前に引き出されていた | 取引履歴の開示請求・返還請求訴訟 |
| 遺言無効 | 遺言書の有効性に疑義がある | 遺言無効確認訴訟 |
| 寄与分・特別受益 | 介護貢献や生前贈与の扱い | 遺産分割協議・調停での主張 |
相続弁護士の費用相場
相続案件の弁護士費用は、取得を希望する遺産の額を基準に計算するのが一般的です。
| 遺産総額(経済的利益) | 着手金の目安 | 成功報酬の目安 |
|---|---|---|
| 300万円以下 | 8〜20万円 | 取得額の16%程度 |
| 300〜3,000万円 | 20〜80万円 | 取得額の10%程度+一定額 |
| 3,000万円〜3億円 | 80〜300万円 | 取得額の6%程度+一定額 |
| 3億円超 | 300万円〜 | 取得額の4%程度+一定額 |
遺産分割協議のみの簡易な案件と、調停・審判まで進む案件では費用が異なります。「経済的利益」の定義(取得した金額か、増額分か)も事務所により異なるので、見積もり時に必ず確認しましょう。
弁護士・司法書士・税理士の役割の違い
相続では複数の専門家が関わります。「誰に何を頼むか」を整理しておきましょう。
| 専門家 | 得意分野 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 弁護士 | 相続トラブル全般(紛争) | 遺産分割協議の代理、調停・訴訟、遺留分請求 |
| 司法書士 | 不動産登記・簡易な手続き | 相続登記、遺言書作成サポート、戸籍収集 |
| 税理士 | 相続税申告 | 相続税の計算・申告、節税対策 |
| 行政書士 | 書類作成 | 遺産分割協議書の作成(紛争性のないもの)、相続関係説明図 |
相続人同士で揉めている場合は弁護士、揉めていなくて手続きだけが必要なら司法書士、相続税の申告が必要なら税理士、というのが基本的な使い分けです。
相続弁護士を選ぶときの3つのポイント
- 相続案件の実績:HPで相続を専門・注力分野として掲げている事務所が安心
- 税理士との連携:相続税申告がある場合、連携税理士がいる事務所は手続きがスムーズ
- 料金体系の明確さ:着手金・成功報酬・実費の内訳を文書で提示してくれるか
主要な相続相談先には、弁護士法人ベリーベスト法律事務所、ひかり法律事務所、東京ロータス法律事務所、サンク総合法律事務所、フェニックス法律事務所など全国対応の事務所のほか、地域密着型の事務所も多数あります。
相続発生前の準備でトラブルを防ぐ
相続トラブルの多くは「事前に準備していなかった」ことが原因です。被相続人が生前にできる対策として、以下を検討しましょう。
- 公正証書遺言の作成:法的に確実な遺言を残す(証人2人と公証人による作成)
- 遺留分への配慮:法定相続人の遺留分を侵害しない配分を検討
- 家族信託:認知症対策として財産管理を信頼できる家族に委任
- 生前贈与:暦年贈与(年110万円まで非課税)の活用
相続にかかる費用全体の試算は年間固定費シミュレーターで長期的な家計の流れと合わせて確認できます。手取り計算なら手取り計算機、収支バランスの見直しは家計バランス診断もどうぞ。相続税の申告が必要な場合は確定申告カウントダウンで期限管理もしておきましょう。
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よくある質問
Q. 相続放棄は弁護士に頼むべきですか?
A. 相続放棄は家庭裁判所への申述のみなら司法書士でも対応できますが、債権者対応や他の相続人との交渉が必要な場合は弁護士が安心です。放棄は相続開始から原則3ヶ月以内なので、判断は早めに。
Q. 遺留分はどれくらいの割合ですか?
A. 法定相続人の地位によって異なります。配偶者・子の遺留分は法定相続分の1/2、兄弟姉妹には遺留分はありません。具体的な計算は事案により複雑なので、専門家への相談を推奨します。
Q. 遺産分割協議書だけ作ってほしい場合は?
A. 相続人全員が合意済みで紛争性がなければ、行政書士や司法書士に依頼できます。「合意ができていない」「内容に疑義がある」場合は最初から弁護士に相談する方が安全です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、具体的な事案については必ず弁護士・司法書士・行政書士など各専門家にご相談ください。費用や手続きは事案・事務所により異なります。最新の正確な情報は各事務所の公式サイトで確認してください。