KCL
節約

奨学金の返済が苦しいときの対処法

奨学金の返済が苦しいときに使える制度(減額返還・返還期限猶予・所得連動返還)と手続き方法を解説します。

奨学金返済の現実(平均返済額と期間)

「奨学金の返済がキツい…」と感じている方、実はかなり多いんですよね。日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を借りている人は、大学生の約半数にのぼります。

項目第一種(無利子)第二種(有利子)
借入総額の平均約240万円約340万円
月額返済額の目安約13,000〜15,000円約15,000〜20,000円
返済期間13〜16年15〜20年
利率0%固定0.5〜1.0%程度

毎月15,000〜20,000円の返済が15〜20年続くわけですから、特に社会人になりたての時期は家計を圧迫しますよね。実際、返済が3ヶ月以上延滞している人は約15万人もいるというデータがあります。

「払えないからどうしよう…」と一人で悩む前に、使える制度をしっかり知っておくことが大切です。

毎月の手取り額を確認するには手取り計算ツールをご活用ください。

返済が苦しいときの3つの制度

JASSOには、返済が困難なときに利用できる救済制度が用意されています。大きく分けて3つあります。

制度名内容対象者利用期間
減額返還制度月額返済額を1/2または1/3に減額年収325万円以下(給与所得)最長15年
返還期限猶予返済を一時的に停止年収300万円以下(給与所得)最長10年
所得連動返還方式所得に応じた返済額に変更第一種奨学金(2017年度以降採用者)返済完了まで

重要なのは、延滞する前に申請することです。延滞が始まってしまうと、信用情報に傷がつき、クレジットカードやローンの審査に影響します。苦しいと感じたら、すぐに制度の利用を検討しましょう。

減額返還制度の申請方法

減額返還制度は、月々の返済額を1/2または1/3に減額できる制度です。返済総額は変わりませんが、返済期間が延びることで毎月の負担が軽くなります。

利用条件

以下のいずれかに該当する場合に申請できます。

・給与所得者:年収325万円以下

・給与所得以外:年間所得225万円以下

・被扶養者がいる場合は収入基準が緩和

申請手続き

1. JASSOのスカラネット・パーソナルにログイン

2. 「各種届・願出・届出」から「減額返還願」を選択

3. 必要書類(所得証明書など)をアップロード

4. 審査期間は約1〜2ヶ月

具体例

項目通常返還1/2減額1/3減額
月額返済額16,000円8,000円約5,300円
年間返済額192,000円96,000円約63,600円
返済期間の変化15年最大30年最大45年

月額8,000円や5,300円なら、かなり負担が軽くなりますよね。ただし、返済期間が長くなるため、第二種(有利子)の場合は利息の総額が増える点は覚えておきましょう。

返還期限猶予の申請方法

返還期限猶予は、返済そのものを一時的にストップできる制度です。失業中や病気で働けない場合に特に有効です。

利用条件

・給与所得者:年収300万円以下

・失業中(雇用保険の受給者証で証明)

・傷病(医師の診断書で証明)

・災害被害者

申請手続き

1. JASSOに「返還期限猶予願」を提出

2. 所得証明書または離職票などの証明書を添付

3. 1回の申請で最長1年間猶予

4. 通算で最長10年間(120ヶ月)まで利用可能

注意点

猶予期間中は返済がストップしますが、利息は発生し続けます(第二種の場合)。猶予期間終了後は、残りの返済額に利息分が加算されます。できるだけ短期間の利用にとどめるのが賢明です。

繰り上げ返済で利息を減らす方法

返済に余裕が出てきたら、繰り上げ返済を検討するのもおすすめです。第二種奨学金の場合、繰り上げ返済すれば利息を大幅に節約できます。

借入額300万円・利率0.8%の場合通常返還5年早く完済10年早く完済
返済期間20年15年10年
利息の総額約24万円約18万円約12万円
利息の節約額約6万円約12万円
月額返済額約13,500円約18,000円約26,500円

繰り上げ返済の手続きは、スカラネット・パーソナルから「繰上返還申込」を行うだけです。手数料は無料なので、ボーナス時にまとまった金額を返済するのも効果的ですよ。

ただし、無理な繰り上げ返済で生活費が足りなくなっては本末転倒です。まずは生活防衛資金(3〜6ヶ月分の生活費)を確保してから、余裕のある範囲で行いましょう。

奨学金の返済シミュレーションは奨学金返済シミュレーターで試算できます。

よくある質問

Q. 奨学金の返済を延滞するとどうなりますか?

A. 延滞が3ヶ月以上続くと、個人信用情報機関に登録(いわゆるブラックリスト)されます。これにより、クレジットカードの新規作成や住宅ローンの審査に影響が出ます。さらに延滞が続くと、延滞金(年3%)が加算され、最終的には法的措置(支払督促・強制執行)に至る可能性もあります。

Q. 減額返還と猶予はどちらを選ぶべきですか?

A. 少額でも返済する余裕があるなら減額返還がおすすめです。返済を止めないため信用情報への影響がなく、少しずつでも残高が減っていきます。まったく余裕がない場合(失業中・傷病中など)は猶予を利用しましょう。

Q. 奨学金の返済は債務整理(自己破産)で免除されますか?

A. 法的には自己破産で奨学金の返済義務は免除されます。ただし、連帯保証人(多くの場合は親)に請求が行くことになります。機関保証を利用している場合は保証機関が代位弁済しますが、その後保証機関から請求されます。自己破産は最終手段として慎重に検討してください。

Q. 結婚後、配偶者の収入は返済に影響しますか?

A. 減額返還や猶予の収入基準は原則として本人の所得で判断されます。ただし、配偶者に扶養されている場合は世帯の所得も考慮されることがあります。詳しくはJASSOの相談窓口に確認することをおすすめします。