結論 — マンション売却の費用は「売却価格の4〜6%」が目安
マンションを売ろうかと考えはじめたとき、いちばん気になるのが「結局いくら手元に残るの?」ですよね。売却価格がそのまま入ってくるわけではなく、そこから仲介手数料・税金・諸費用を差し引いた「手取り」で考えないと、住み替え予算も次の計画も立てられません。
結論から言うと、マンション売却にかかる費用は売却価格のおおむね4〜6%が一つの目安です。最大の出費は仲介手数料で、たとえば3,000万円で売れた場合の上限は約105万円(税込)。これに印紙税・抵当権抹消費用・各種事務手数料が加わります。譲渡所得が出る場合は、さらに譲渡所得税がかかりますが、マイホームなら3,000万円特別控除で税額がゼロになるケースも多いです。
この記事は2026年時点の一般情報です。実際の費用や税額は物件・契約内容・所有期間によって変わるため、最新の数値は各社の見積もり・国税庁の公式情報・税理士で必ずご確認ください。
マンション売却でかかる費用の全体像
マンション売却でかかる費用は、大きく「仲介手数料」「税金」「その他諸費用」の3つに分けられます。まずは全体像を表で押さえましょう。
| 費用項目 | 金額の目安 | 支払うタイミング |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売買価格×3%+6万円+消費税(上限) | 売買契約時・引渡し時に分割が一般的 |
| 印紙税 | 1,000円〜数万円(契約金額による) | 売買契約書作成時 |
| 抵当権抹消費用 | 不動産1個につき登録免許税1,000円+司法書士報酬1〜2万円目安 | 引渡し・登記時 |
| 譲渡所得税 | 譲渡所得×税率(長期約20%/短期約39%目安) | 売却翌年の確定申告時 |
| 住宅ローン一括返済手数料 | 数千円〜3万円程度(金融機関による) | 完済時 |
| 引越し費用・ハウスクリーニング等 | 数万円〜 | 退去時 |
※2026年時点の一般的な目安です。金額は物件や契約内容で変わります。
仲介手数料 — 最大の費用、上限は法律で決まっている
マンション売却で最も大きな費用が仲介手数料です。不動産会社に売却を依頼して成約したときに支払う成功報酬で、上限額は宅地建物取引業法で定められています。
売買価格が400万円を超える場合、仲介手数料の上限は次の速算式で計算できます。
仲介手数料の上限 = 売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税
これはあくまで「上限」であり、これより安く設定する会社や、条件によっては割引・無料をうたう会社もあります。具体的な金額を見てみましょう。
| 売買価格 | 仲介手数料の上限(税込・消費税10%) |
|---|---|
| 1,000万円 | 約39万6,000円 |
| 2,000万円 | 約72万6,000円 |
| 3,000万円 | 約105万6,000円 |
| 4,000万円 | 約138万6,000円 |
| 5,000万円 | 約171万6,000円 |
仲介手数料は売却価格に比例して大きくなるので、まずは適正な相場で売り出すことが手取りを左右します。複数社の査定を比べたいときはマンション売却の一括査定比較や不動産一括査定サービスの比較もあわせて検討してみてください。
印紙税 — 売買契約書に貼る
不動産の売買契約書には印紙税がかかります。契約金額に応じて税額が決まり、2026年時点では軽減措置が適用されているため、金額は比較的少額です。
| 契約金額 | 印紙税(軽減措置適用時の目安) |
|---|---|
| 500万円超〜1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 3万円 |
※軽減措置の適用期間や金額は変更される場合があります。最新は国税庁の公式情報でご確認ください。
抵当権抹消費用 — 住宅ローンが残っている場合
住宅ローンを利用してマンションを購入した場合、物件には金融機関の抵当権が設定されています。売却して引渡しをするためには、これを抹消する必要があります。
抵当権抹消にかかる登録免許税は不動産1個につき1,000円。マンションの場合、建物と土地(敷地権)で2個分かかることが多く、合計2,000円程度です。これに司法書士へ手続きを依頼する報酬として1〜2万円ほどが加わるのが一般的です。
譲渡所得税 — 売却益が出たときだけかかる
マンションを売って利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して譲渡所得税(所得税・住民税)がかかります。給与とは別枠で計算する「分離課税」で、売却した翌年の確定申告で納めます。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除
ポイントは所有期間によって税率が変わることです。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば「長期譲渡所得」となり、税率が大きく下がります。
| 区分 | 所有期間(売却年1月1日時点) | 税率の目安(所得税+住民税) |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 約39%(所得税30%+住民税9%) |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 約20%(所得税15%+住民税5%) |
※別途、復興特別所得税が所得税額に2.1%上乗せされます。税率や制度の詳細は不動産売却にかかる税金の完全ガイドで整理しています。
マイホームなら3,000万円特別控除が使える
自分が住んでいたマンション(居住用財産)を売る場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。たとえば譲渡所得が2,500万円なら、控除によって課税対象がゼロになり、譲渡所得税もかからない計算になります。
住み替えのケースでは、買い替え特例など他の特例と組み合わせられる場合もあります。要件は細かいので住み替え時の売却特例ガイドもあわせて確認してください。
売却価格3,000万円のときの費用シミュレーション
イメージをつかむために、3,000万円でマンションを売り、住宅ローン残債を完済するケースの費用感を整理します(マイホームで3,000万円特別控除により譲渡所得税はゼロと仮定)。
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 約105万6,000円 |
| 印紙税 | 1万円 |
| 抵当権抹消(登録免許税+司法書士報酬) | 約1.5万円 |
| 住宅ローン一括返済手数料 | 約1万円 |
| 譲渡所得税 | 0円(特別控除適用と仮定) |
| 合計(諸費用) | 約109万円前後 |
つまり、3,000万円で売れても諸費用で100万円超が出ていく計算です。売却価格の数%が費用になることを前提に、資金計画を立てておくと安心ですね。
まとめ — 費用を抑えるには「適正価格」と「特例の活用」
マンション売却の費用は、仲介手数料を中心に売却価格の4〜6%が目安です。費用そのものを大きく削ることは難しいですが、適正な相場で売り出して値下げを防ぐこと、3,000万円特別控除など使える特例を漏れなく使うことで、結果的に手取りを増やせます。
まずは複数社の査定で相場を把握するところから始めましょう。査定額の妥当性を見極めるには不動産売却相場の調べ方が参考になります。本記事は2026年時点の一般情報であり、個別の費用・税額は各社・税理士でご確認ください。