KCL
senior-life

認知症介護の費用と制度完全ガイド2026

認知症介護の費用と利用できる制度を網羅。グループホーム・認知症対応型サービスの費用、成年後見制度、家族会・補助金まで2026年版で完全整理。厚生労働省データを参考に中立に解説。

Sponsored

認知症介護 — 結論「医療+介護+法律の3本柱で備える」

認知症と診断されたら、「介護をどうするか」だけ考えればいい、というのは大きな誤解です。実は医療(治療・予防)+介護(サービス利用)+法律(成年後見・財産管理)の3本柱で備える必要があります。とくに財産管理は早めに対応しないと、本人が判断能力を失った後では銀行口座の解約や不動産売却ができなくなり、家族が困ることになります。

結論を先に言うと、認知症介護の月額費用は在宅で6〜15万円、グループホームで12〜18万円、介護付き有料老人ホームで15〜30万円が目安。一方で見落とされがちなのが成年後見制度の費用(月2〜6万円の後見人報酬)です。早めに任意後見契約や家族信託を検討すれば、後見開始後の自由度と費用面で違いが出ます。

この記事では2026年5月時点の一般情報として、認知症介護の費用・利用できる介護保険サービス・成年後見・家族支援を整理します。個別事案はケアマネジャー・地域包括支援センター・司法書士・弁護士等の専門家に相談してください。

最初に押さえる用語

  • アルツハイマー型認知症:認知症の約7割を占める代表的タイプ
  • レビー小体型認知症:幻視・パーキンソン症状を伴う
  • 血管性認知症:脳梗塞・脳出血の後遺症で発症
  • 軽度認知障害(MCI):認知症の前段階。生活には支障ない状態
  • BPSD(行動・心理症状):徘徊・暴言・幻覚等の周辺症状
  • 成年後見制度:判断能力が不十分な人の財産管理・身上監護を支援する制度

認知症介護の費用相場

介護形態月額目安(自己負担分)主な利用シーン
在宅(軽度)6〜10万円デイサービス+訪問介護
在宅(中度〜重度)10〜15万円毎日デイ+訪問+ショート活用
認知症対応型通所介護+月1〜3万円(追加分)専門デイサービス利用
グループホーム12〜18万円少人数共同生活
介護付き有料老人ホーム(認知症ケア棟)15〜30万円24時間専門ケア
特別養護老人ホーム8〜15万円要介護3以上、待機長め

※2026年5月時点、自己負担1割の場合の目安。詳しい施設費用は老人ホームの費用相場完全ガイドもご参照ください。

医療費 — 認知症の治療と検査

項目内容費用目安(医療保険3割負担)
初診・診断もの忘れ外来・神経内科1回3,000〜6,000円
MRI・CT検査脳画像診断1回5,000〜10,000円
抗認知症薬ドネペジル・メマンチン等月3,000〜8,000円
BPSD治療薬抗精神病薬等月1,000〜3,000円
通院月1〜2回の定期月2,000〜5,000円

高齢者の医療費は所得・年齢で1〜3割負担。詳しくは高齢者の医療保険完全ガイド高額療養費の申請方法もご確認ください。

利用できる介護保険サービス(認知症向け)

認知症対応型通所介護(認知症デイ)

定員12人以下の少人数体制で、認知症の方に特化したデイサービス。スタッフの専門性が高く、馴染みの環境で過ごせるメリットがあります。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

1ユニット9人以下で家庭的な共同生活を行う地域密着型サービス。料理・洗濯等の役割を持つことで認知機能の維持を図ります。原則として施設所在市区町村の住民が対象。

小規模多機能型居宅介護

1事業所に登録し、通い・訪問・泊まりを柔軟に組み合わせて利用できる地域密着型サービス。馴染みのスタッフが対応するため認知症の方の負担軽減につながります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

24時間体制で、定期的な巡回訪問と随時対応を行う。重度の認知症で在宅介護を継続したい場合の選択肢。

成年後見制度 — 認知症と財産管理

認知症で判断能力が低下すると、銀行預金の引き出し・不動産売却・契約締結等が制限されます。これを支援するのが成年後見制度です。

成年後見制度の3類型

類型対象権限
後見判断能力が欠けているのが通常の状態包括的な代理権・取消権
保佐判断能力が著しく不十分重要な行為の同意権・取消権
補助判断能力が不十分申立てで定めた行為の同意権・取消権

法定後見と任意後見

  • 法定後見:判断能力低下後に家庭裁判所が選任。後見人は家族のほか、第三者(司法書士・弁護士)が選ばれることも
  • 任意後見:判断能力があるうちに本人が任意後見人と契約。発効は判断能力低下後に家裁が任意後見監督人を選任した時点

成年後見の費用

項目費用目安
申立費用(家裁)収入印紙・郵券で1万円程度
鑑定料5〜10万円程度(必要な場合)
司法書士・弁護士の申立支援10〜20万円程度
後見人報酬(家族後見)原則無報酬/請求可
後見人報酬(専門職後見)月2〜6万円程度
後見監督人報酬月1〜3万円程度

※2026年5月時点の一般的な目安。家庭裁判所が個別に決定。法定後見は本人死亡まで継続するため、長期化すると総額が大きくなる点に注意。

家族信託という選択肢

判断能力があるうちに、家族に財産管理を信託する仕組み。後見人の月報酬がかからず、不動産の柔軟な活用が可能。初期費用30〜100万円程度(司法書士・税理士費用)が一般的。詳しくは相続税対策完全ガイド遺言書の書き方完全ガイドもご参照ください。

家族への支援

  • 認知症の人と家族の会:全国47都道府県に支部、電話相談・交流会
  • 認知症カフェ:本人・家族・地域住民が集う場、自治体や社協が運営
  • 認知症初期集中支援チーム:地域包括に配置、診断から介護導入まで集中支援
  • 認知症サポーター養成講座:家族や地域住民向けの無料講座
  • SOSネットワーク:徘徊高齢者の早期発見・保護の地域システム
  • レスパイトケア:家族の休息のためのショートステイ等

補助金・経済支援

  • 自治体のおむつ代助成:寝たきり・重度認知症の方向け、月数千円〜1万円程度
  • 家族介護慰労金:一部自治体で重度要介護者を在宅介護する家族に支給
  • 特別障害者手当:重度の認知症で常時介護が必要な場合、月2.8万円程度(2026年5月時点目安)
  • 介護休業給付金:休業前賃金の67%相当(詳しくは介護休業制度と介護給付金
  • 高額介護サービス費・高額療養費:所得区分で自己負担上限あり
  • 障害者控除:要介護認定者が市区町村長の認定を受ければ所得税・住民税で控除

認知症と診断されたらチェックリスト

  • もの忘れ外来等の専門医を受診し正確な診断を受ける
  • 地域包括支援センターに相談し要介護認定を申請
  • ケアマネ選定・ケアプラン作成
  • 本人の年金・預貯金・不動産を整理
  • 任意後見契約・家族信託の早期検討
  • 銀行・保険会社に連絡(代理人設定・受取人見直し)
  • 運転免許の自主返納を検討
  • 火災・転倒のリスク対策(住宅改修)
  • SOSネットワーク登録(徘徊リスクある場合)
  • 家族会・認知症カフェ等のサポート活用

よくある質問

Q. 認知症介護にはどのくらいお金がかかりますか?

A. 在宅で月6〜15万円、グループホームで12〜18万円、介護付き有料老人ホームで15〜30万円が目安です。これに医療費(月数千〜1万円)と成年後見が必要な場合の後見人報酬(月2〜6万円)が加わります。

Q. 認知症の診断はどこで受けられますか?

A. 神経内科・精神科・脳神経外科・もの忘れ外来等が一般的。日本老年精神医学会・日本認知症学会の専門医を探す方法もあります。地域包括支援センターに相談すれば近隣の医療機関を紹介してくれます。

Q. グループホームと特養はどちらがいいですか?

A. 認知症があり比較的元気で要支援2〜要介護2程度ならグループホーム、要介護3以上で身体介護が必要なら特養が向きます。特養は待機が長く、グループホームを経由するケースもあります。

Q. 成年後見制度は使ったほうがいいですか?

A. 不動産売却や定期預金の解約等の財産管理が必要な場合は必要。ただし本人死亡まで継続し費用も継続的に発生するため、判断能力があるうちに任意後見契約や家族信託の検討を推奨します。

Q. 任意後見と家族信託の違いは?

A. 任意後見は判断能力低下後に発効、家裁の監督下で運用。家族信託は判断能力があるうちから運用でき、信託契約の範囲で財産活用が柔軟。司法書士・弁護士に個別相談を。

Q. 認知症の親の口座から介護費用を引き出せますか?

A. 本人の判断能力が低下していると銀行が引き出しを制限することがあります。一部の銀行は代理人カード等の仕組みがありますが、最終的には成年後見制度の利用が必要になります。

Q. 徘徊で行方不明になったときの対策は?

A. 市区町村のSOSネットワーク登録、GPS発信機の利用、衣類への名前・連絡先記載が基本対策。家族の賠償責任は個人賠償責任保険等で備えを。

Q. 認知症の薬は使ったほうがいいですか?

A. ドネペジル等の抗認知症薬は症状の進行を緩やかにする効果が期待される一方、副作用や効果には個人差があります。主治医と相談のうえ判断するのが基本です。

Q. 介護うつや介護虐待にならないために何ができますか?

A. 1人で抱え込まないことが最重要。地域包括支援センター・家族会・ショートステイの活用、定期的な休息日の確保が基本です。

※本記事の数値・制度内容は2026年5月時点の一般的な目安です。介護費用・成年後見費用・税控除等は地域・所得・個別事情で変動します。個別事案はケアマネジャー・地域包括支援センター・司法書士・弁護士・社会保険労務士・FP・各自治体介護福祉課等の専門家に必ずご相談ください。最新情報は厚生労働省・法務省・各市区町村公式情報でご確認ください。

Sponsored
Sponsored