KCL
老後の生活費

高齢者世帯の生活費(2026年)

65歳以上の高齢者世帯(単身・夫婦)の月々の生活費データ

全国平均データ

区分月額(目安)
節約型(低め)15.0万円
平均的23.0万円
ゆとり型(高め)35.0万円

費用の内訳

食費6.5万円

全体の約28%

住居費1.5万円

全体の約7%

光熱・水道2.2万円

全体の約10%

医療費1.6万円

全体の約7%

交通・通信2.8万円

全体の約12%

教養・娯楽2.2万円

全体の約10%

その他6.2万円

全体の約27%

詳細解説

高齢者世帯の生活費は、総務省の家計調査(2025年)によると65歳以上の夫婦のみ無職世帯で月約25万〜27万円、65歳以上の単身無職世帯で月約15万〜16万円が全国平均となっています。現役世代と比べて収入が年金中心になるため、限られた収入の中でいかに生活の質を維持するかが最大のテーマです。生活費の構成を見ると、現役時代と比較して大きく変化するのが住居費と医療費です。住宅ローンを完済している持ち家世帯では住居費が固定資産税と修繕費のみ(月1万〜2万円程度)で済みますが、賃貸の場合は月5万〜8万円の家賃負担が続くため、同じ高齢者世帯でも生活費に月3万〜6万円の差が生じます。一方、医療費は加齢に伴い増加傾向にあり、65〜74歳では月約1万円、75歳以上では月約1.5万〜2万円の自己負担が平均的です。食費は高齢者夫婦世帯で月約6万5,000円と現役ファミリー世帯(約8万円)より少なめですが、生活費全体に占める割合(エンゲル係数)は約27〜30%と、現役世帯の約23〜25%よりも高いのが特徴です。まずは自分の年金受給見込額と生活費の差額を把握し、老後の資金計画を具体的に立てることが安心したセカンドライフの第一歩です。

高齢者世帯の生活費の内訳を詳しく見てみましょう。食費は夫婦世帯で月約6万5,000円、単身世帯で約3万7,000円が平均で、外食が減り自炊中心になる傾向がありますが、調理の負担が大きくなると惣菜や弁当の購入が増え、結果的に食費が高止まりするケースもあります。住居費は持ち家世帯では月約1万5,000円(固定資産税・修繕積立)、賃貸世帯では月約5万〜8万円です。光熱・水道費は月約2万2,000円で、在宅時間が長い高齢者世帯は現役世帯(約1万8,000円)よりも高くなる傾向があります。特に冬場の暖房費と夏場の冷房費は健康管理のため節約しすぎないことが重要です。交通・通信費は月約2万8,000円で、自家用車を維持している場合はガソリン代・保険料・車検代を含めて月2万〜3万円、車を手放して公共交通機関に切り替えれば月5,000〜1万円に削減できます。教養・娯楽費は月約2万2,000円で、旅行、趣味の活動、書籍・新聞代などが含まれます。医療費は月約1万6,000円ですが、持病の有無や通院頻度によって大きく変動します。保険医療費のうち自己負担額は70〜74歳で2割、75歳以上で原則1割(一定以上所得者は2割、現役並み所得者は3割)と軽減されていますが、歯科治療や補聴器購入など保険外の支出もあるため、余裕を持った予算設定が必要です。

高齢者世帯が直面する「年金だけでは足りない」という問題について、具体的な数字で解説します。厚生年金の平均受給月額は2025年時点で男性約16万5,000円、女性約10万5,000円であり、夫婦合計で約27万円です。一方、国民年金のみの場合は満額でも月約6万7,000円(夫婦で約13万4,000円)にとどまります。65歳以上の夫婦世帯の平均生活費は月約25〜27万円ですので、厚生年金の夫婦世帯ではほぼトントンか月数万円の赤字、国民年金のみの世帯では月10万円以上の大幅な赤字が発生します。この赤字分を預貯金の取り崩しで補うとすると、月3万円の赤字が30年間続いた場合の累計は1,080万円、月5万円なら1,800万円に達します。いわゆる「老後2,000万円問題」はこの赤字の累計額を示したものです。対策としては、65歳以降も働いて収入を得る(在職老齢年金制度あり)、年金の繰下げ受給で受給額を増やす(1カ月繰り下げるごとに0.7%増額、最大75歳まで繰り下げると84%増額)、iDeCoやNISAで資産運用を継続する、支出の見直しで赤字幅を縮小するなどの方法があります。特に年金の繰下げ受給は確定利回りの運用と同等の効果があり、長生きリスクへの最も確実な備えとして注目されています。

高齢者世帯が生活費を賢く節約し、セカンドライフを充実させるための具体的なアドバイスをお伝えします。最も大きなインパクトがあるのは住居費の最適化です。持ち家の場合は住宅ローンの完済後に固定資産税と修繕費のみになりますが、子どもの独立後に広すぎる住居を維持しているケースでは、コンパクトな住居へのダウンサイジング(住み替え)で光熱費や修繕費を年間10万〜30万円削減できる可能性があります。リバースモーゲージ(自宅を担保に融資を受け、死亡後に売却して返済する仕組み)を活用すれば、住み続けながら老後資金を確保することも可能です。自動車の維持費は年間30万〜50万円にも及ぶため、運転に不安を感じ始めたら思い切って手放し、タクシーやシニア向けの移動支援サービスに切り替えることで大幅な節約になります。月3万円の維持費がタクシー代月5,000〜1万円に削減できれば、年間24万〜30万円の節約です。医療費は高額療養費制度(住民税非課税世帯で月の上限約1万5,000〜2万4,600円)を正しく利用し、確定申告で医療費控除(年間10万円超の部分が所得控除)の申請も忘れずに行いましょう。各自治体が実施しているシニア向け割引(公共交通機関のシルバーパス、公共施設の利用料減免、健康診断の無料化など)も積極的に活用してください。限られた年金収入でも、制度をフル活用すれば十分に豊かな生活を送ることができます。

よくある質問

高齢者世帯の生活費は月いくら?
総務省の家計調査によると、65歳以上の夫婦世帯で月約25〜27万円、単身世帯で月約15〜16万円が平均です。持ち家か賃貸かで住居費が大きく変わり、全体の生活費に3〜5万円の差が出ます。
年金だけで生活費は足りる?
厚生年金の平均受給額は月約14.5万円(夫婦で約22万円)ですが、平均的な生活費は夫婦で約25万円のため、毎月約3万円の赤字が生じます。この不足分を貯蓄や資産の取り崩しで補う必要があります。
高齢者の医療費はどのくらい?
75歳以上の後期高齢者の自己負担は原則1割(現役並み所得者は3割、一定以上所得者は2割)で、月の医療費自己負担は平均約1万〜1.6万円です。高額療養費制度により月の上限額が設定されています。
老後の生活費を節約するコツは?
住居費の見直し(住宅ローン完済後は固定資産税のみ)、シニア割引の活用、かかりつけ医で予防医療を徹底する、不要な保険の解約、通信費の格安SIM化などが効果的です。

都道府県別データ

各都道府県のリンクをクリックすると、地域ごとの詳細な高齢者世帯の生活費データを確認できます。

関連ツール

関連ガイド